「 イエスの語る旧約の福音(7)『いつも、あなたがたと共に』 」友納靖史牧師(2019/03/17))

 「これまで一度も通ったことのない道であるが、あなたたちの行くべき道は分かる」とモーセの後継者ヨシュアは力強く語りました。人生の歩みを譬える言葉に、「道」「山登り」「航海」、そして「川を越える」などがあります。エジプトの奴隷状態から救い出され、荒れ野で40年、遂に「約束の地」カナンを目前にして、なお多くの困難をイスラエルの民は経験しました。その道半ばでヨルダン川を渡る出来事は、この旅路のハイライトとしてヨシュア記は語ります。春の季節、ヨルダン川の水は両脇の堤を超えんばかりに満ち(3:15)、そこを渡れと命じられた民は不安と恐れを抱いたことでしょう。しかしその時、「主の契約の箱:Ark」(モーセが神から民に授かった十戒の石板を納めたもの)と共に水に入り、道を進めと命じられたのです。ヨシュアは語ります。「自分自身を聖別せよ。主は明日、あなたたちの中に驚くべきことを行われる」と。こうして、民に先立って契約の箱を担いだ祭司たちがヨルダン川の水に足を踏み入れると、驚くべきことが起きたのです。川上から流れくる水が、上流でせき止められ、箱が川の真ん中に留まり立ち続ける間に、民全員がヨルダン川を渡り終えられたのです(3:17)。
 共観福音書全てが、公生涯のイエスが最初になされたのこと、それがヨルダン川でバプテスマ(洗礼)を受けたことだと証言します。この場面だけを読むとヨルダンとは普通の川の一つにしか過ぎませんが、ヨシュア記を知る者にとっては特別な神の目的と意味が重なります。本来なら罪のないイエスが「悔い改めのしるし・バプテスマ」を受ける必要はありませんでした。けれども、罪を負う私たち人間が「行くべき道」を先立って歩み、救いの道を示めされた主イエスの存在は、ヨルダン川に入り、「契約の箱」が水を分け、川の激流に飲まれず約束の地へと向かった神の民を思い起させます。更にイエスご自身が「契約の箱(神の臨在の証)」として、地上の人生を終えて天の国(約束の国・彼岸)に辿り着くまで、私たちと共に十字架を担い死を超えて先立って歩まれる方であることが新約全体を通して証しされるのです。
 私たちが、これまで一度も通ったことのない道を歩ませられようとも、「恐れることはない」と神は語りかけられます。なぜなら、イエスのことを「あなたはメシア(救い主・キリスト)、生ける神の子です」とペトロのように告白する信仰(マタイ16:15-19)、またヨルダン川の水を象徴するバプテスマを受けることは、私たちの人生における様々な困難を乗り越え「約束の地(神の国)」へと神により導かれることが約束されているからです。人生の大切な節目を迎えた皆さんと主なる神が「いつも共におられます」。それぞれに委ねられる「道」を恐れず進み続けましょう。

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