「 永遠なる神」 渡部信牧師(2019/03/10)

<コヘレトの言葉1章1~11節、ヘブライ人への手紙13章7~16節 >
さて、皆さまは毎日、どのような人生の目標に向かって生活しておられるでしょうか。恐らく「永遠」というと、今では忘れられた言葉のように、私たちは、今、目の前の毎日、毎日を生きるだけで精一杯の生活を送っていると思います。朝、起きると、すぐ着替えて、顔を洗い、テレビをつけながら食事をし、ある人は新聞を読み、そして学校へ、仕事場へ、そうでない人でも、散歩なり、病院に行ったり、クリーニング屋、郵便局、銀行と用事を抱え、何もしない人でも、ネットやスマートホンで情報を交換し、その日、その日が目まぐるしく生活していると思います。毎日が「今」の出来事に負われた本当に忙しい日々です。
 先ほど、旧約聖書のコヘレト1章の冒頭を朗読いたしましたが、12月に新しい聖書が日本聖書協会から出版されましたが旧約聖書のコヘレトの手紙は、このように翻訳されました。
「コヘレトは言う。空の空 空の空 一切は空である。太陽の下、なされるあらゆる労苦は、人に何の益をもたらすのか。一代が過ぎ、また一代が興る。地はとこしえに変わらない。日は昇り、日は沈む。元のところに急ぎゆき、再び昇る。南へ向かい、北を巡り、 巡り巡って風は吹く。風は巡り続けて、また帰りゆく。すべての川は海に注ぐが 海は満ちることがない。どの川も行くべきところに向かい 耐えることがない。全てのことが人を疲れさせる。語りつくすことはできず 目を見ても飽き足らず 耳は聞いても満たされない。すでにあったことはこれからもあり、すでに行われたことはこれからも行われる。
太陽の下、新しいことは何一つない。見よ、これこそ新しい、と言われることも、はるか昔、すでにあったことである。後の世の人々が思いおこされることはない。後の世の人々も さらに後の世の人々によって思い起こされることはない。」
 コヘレトという表題は「集会を開く者、伝道者、告知者」という意味を持っています。この一般の聴衆に向かって教え諭すという文書だったと思います。しかしこの書は、旧約聖書の中で、最も難解で、けれども日本人が最もこころ惹かれる書物として多くの人々に読まれた書物です。非常に厭世的な、快楽的生き方を奨励しているかのようで、ニューチエの永劫回帰の人生観です。日本人にとっては、仏教の諸行無常観です。
 新共同訳の翻訳では、「なんという空しさ なんという空しさ、すべては空しい」から今回は「空の空 空の空、一切は空である」という言葉に切り替えられました。
それはこの世のことが一切空しいのではなく、それはこの世の天地万象が有限の時間が、移り行くものであるという性質、性格が空なのであって、コヘレトはその空の性質のなかでどのように生きるべきかを教えている書物である、つまり「永遠を思う心を神が人に与えられた」という再理解のもと今回、翻訳されました。 

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