礼拝
友納靖史
常盤台バプテスト教会 2022.6.5 ペンテコステ・教会創立72周年記念礼拝 悲嘆から希望の民へ㉘「時が良くても、悪くても」【エレミヤ書 42章 1～6節】(新共同訳 旧約P.1255)
- 音声メッセージ
礼拝終了後掲載いたします。通信料が心配な方はこちらからご視聴ください。
- 礼拝プログラム
- 前奏
招詞 ヘブライ人への手紙 12章1～２節 司式者
祈祷 司式者
賛美 新生389番「昔主イエスの播きたまいし」1、2，4節
主の晩餐を覚えての黙想 Oh,Lord！Correct me 村上早苗
聖書 エレミヤ書 42章 1～6節
特別賛美 神さまの樹になりたい(聖歌隊・録音）
宣教 悲嘆から希望の民へ㉘「時が良くても、悪くても」 友納靖史牧師
祈祷
賛美 新生652番「ナルドの壷」１．２．3節
献金感謝 司式者
祝祷
後奏 - 宣教概要
- 全52章あるエレミヤ書ですが、44章までに区切って講解され、今日でこのシリーズの長い旅路を終えます。
今日の箇所はBC587年、第二次バビロン捕囚によってエルサレムが完全崩壊の悲惨さを目の当たりにし、かろうじて生き残っていた民が、身分の上下を問わずエレミヤの元に来て「あなたの神である主に求めて、我々に歩むべき道、なすべきことを示してください」と、真摯に神の導きを求める姿が記されます。彼らのために主に執り成すことを約束したエレミヤに、民は感謝をこう述べるのです。「わたしたちは、必ずあなたの神である主が、あなたを我々に遣わして告げられる言葉のとおり、すべて実行することを誓います」。そして「良くても悪くても (Whether it is favorable or unfavorable)： 神からの返答が、私たちの願い通りであっても、そうでなくても)、我々はあなたを遣わして語られる我々の神である主の御声に聞き従います。我々の神である主の御声に聞き従うことこそ最善なのですから」(42:5-6)と。「あなた(ｴﾚﾐﾔ)の神」から、「我々の神」へと心が変えられた言葉の端々からも、この時は彼らの本心から出たものであったでしょう。けれども十日後、彼らの願っていたエジプトへは行かないようにと神が語られた時、主とエレミヤに逆らって、遂にはエレミヤをエジプトに強制連行する暴挙に及びます(42:7-44章)。神への深い信仰と、同時に自己中心の罪にまみれた救いようのない人間の姿･･･。
エレミヤの生涯を振り返ると、神の召命を受けて65歳前後で死ぬまでの約40年、預言者として歩む間、殆どの人々が彼の語る神の言葉に聞き従わず、反逆し続ける姿がこの書に終始記録されます。全く報われることなくその生涯を終えたと評されるため「涙の預言者」と呼ばれます。けれども、救い主イエスの到来と、父より遣わされた聖霊の到来により、全く異なる評価が神より下されていると悟らされます。確かに南ユダ王国の人々より無視され、彼らを悔い改めへと導けなかった失意の預言者と歴史家は評するでしょう。しかし終始、主なる神に従い、忠実に主の言葉を臆することなく伝え続けたエレミヤ。神の目からみると、彼こそ人を恐れず神を畏れた偉大な預言者として、天の国で評価され、報いを大いに受けていることが分かります(ﾏﾀｲ5:19)。
高価なナルドの香油を無駄遣いしたと人々から非難された女性に対し、主イエスは語ります。「この人はできるかぎりのことをした。･･･はっきり言っておく。世界中どこでも、福音が宣べ伝えられる所では、この人のしたことも記念として語り伝えられる(ﾏﾙｺ14:3-9)」と。この女性が主イエスへの愛と神への信頼に押し出されて、香油を主イエスに注ぐことがなければ、その翌日に捕らえられ、十字架で死んで安息日に葬られていくイエスのために誰も香油を塗ることは出来なかったからです。人には計り知れない神の時に、主に愛され、主を愛する者を用いて下さいます。
神の言葉より自己の願いを優先した民らのように、移ろいやすく弱い信仰しか私たちにはありません。だからこそ、「良くても悪くても、主に従う信仰を支えてください」と祈りましょう。そのために主イエスは聖霊を主の弟子たちに与える約束をされ、今もその約束が真実であることをペンテコステのこの日に喜び祝えるのです。
地上では涙にくれた預言者エレミヤも、又常盤台教会72年の間に苦難の中でも最後まで主につながり召された方々も、今は天にある神の御許で喜びの涙を流す者とされていることを信じ感謝します(ﾍﾌﾞ12:1-2)。