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礼拝
友納靖史

常盤台バプテスト教会 2023.2.5 主日礼拝 イエスの許に帰ろう⑬「人生の危機・サバイバル術」友納靖史牧師【マルコによる福音書12章13~17節】(新共同訳 新約P.86)


礼拝出席カード



音声メッセージ

礼拝終了後掲載いたします。通信料が心配な方はこちらからご視聴ください。
礼拝プログラム
前奏                     
招詞   フィリピの信徒への手紙 1章9~11節  司式者
祈祷          司式者
賛美   新生55番「父の神よ 夜明けの朝」1.2.3節
献金感謝            司式者
聖書   マルコによる福音書 12章13~17節
主の晩餐をおぼえての黙想「受けよわが糧」聖歌隊
宣教   イエスの許に帰ろう⑬「人生の危機・サバイバル術」友納靖史牧師
祈祷
賛美   新生519番「信仰こそ旅路を」1.3.4節
頌栄    新生674番「父 み子 聖霊の」
祝祷
後奏
宣教概要
  明らかな「悪意」を持ち接する人に遭遇すると、精神的肉体的に疲れ果てます。相手に誤解を与えているなら謝罪し、解決したいのですが、相手の一方的妬みや嫉みから生じる攻撃を受ける時、ホトホト困り果ててしまうことはないでしょうか。
 当時、ユダヤには神が選ばれる王が来ると信じたファリサイ派(厳格な律法主義者)と、ローマ帝国よりガリラヤ地域支配を命じられたヘロデ・アンテパス王(BC4~AD39統治)を支持するヘロデ党とは本来、宗教的政治的に相容れない立場にありました。ところが「敵の敵は味方」と両者は、主イエスを陥れる思いを一つにし、こう問い詰めます。「ローマ皇帝に人頭税を納めることは許されていますか、間違っていますか。私たちがそれを納めるのは正しい事ですか」。ここでもし主が「納めなさい」と返答すれば、「あなたは神の教えとユダヤの民族に反目するのか…」と責め。またもし「納めなくて良い」と言えば、「ローマ帝国に反旗を翻すつもりか…」と、どう答えても責め訴える計画でした。ところが主は彼らの悪意を見抜き、その策略を見事にすり抜けられたのです。
「なぜ、あなたたちはわたしを試みるのか。一デナリオン銀貨をわたしのもとに持って来て、見せなさい」と主は逆に問われます。すると彼らは即座にそれを取り出して見せました。そこで主は彼らに「これは誰の肖像と銘か」と尋ねると、「皇帝のものです」と彼らは即答します。その時、主は「それでは、あなたたちは皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい」と宣言されました。これはローマが統治した当時、種々の政治的宗教的主義主張や論争に巻き込まれ、白か黒か二者択一のような判断をするのではなく、神の御心に立って生きるための知恵と信仰に基づく勧告となりました。ここには主義主張が交錯する現代にも通じるサバイバル術が秘められています。
 第一に、他者の悪意に打ち勝つ知恵を身に着け、この世の課題に恐れず立ち向かう信仰です。精神医学的には昨今、臆することなく悪意に対して境界線(バウンダリーズ)をひいて避けるよう勧められます。「ほっとけ、気にするな」です。しかし一方で、神の知恵に満ちた御子イエスは、悪意に満ちた人々に正面から対決され、危機を機会(チャンス)へと変えられ、神の栄光と知恵を輝かして人々の心を揺さぶられました(12:17)。
第二に、「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返せ」との語りかけは、この世と神の国の双方に生きるキリスト者が立つべき信仰姿勢、つまりスチュワードシップへの問いも秘められていたようです。地上の国や地域に生きる者としての責任を果たし、かつ神に返すべきものを私たちがお返ししているかとの問いかけです。私たちの命、財産、その全ては神より付与されたものです。しかし自分だけのものと誤解し、返すべきものまで神から奪っていないかが問われます(ルカ11:42)。地上の行政機関に税金を払う務めを怠ったら、法的厳罰に処されます。では、私たちが神に返すべき責任(什一)を怠った時はどうなるのでしょうか。主はそれを律法として強制されず、神への愛の応答として委ねられ(マタイ23:23)、使徒パウロもそれに習いました(コリ二9:6-8)。主ご自身が当時、ローマへの税金とユダヤの神殿税の双方を納め、悪意ある論争に与することも、また人々を躓かせることもせず、神の国の福音宣教を優先されたと記されます(マタイ17:24-27)。
今日、社会を二者択一で分裂させ、差別を助長する危険から生き残る(サバイバルする)ため、いや積極的に神の真理と愛に基づく第三の選択肢、つまり神の国を実現する「本当に重要なことを見分ける(フィリピ1:9-10)」生き方ができるようにと祈りましょう。主イエスは人生最大の危機「死」の先にまで私たちを救い導いてくださるお方ですから。