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礼拝
友納靖史

常盤台バプテスト教会 2024.3.10 主日礼拝 何のために生きるのか⑦「すべては神の栄光のために」友納靖史牧師【ローマの信徒への手紙 11章36節】(新共同訳 新約P.291)


礼拝出席カード



音声メッセージ

礼拝終了後掲載いたします。通信料が心配な方はこちらからご視聴ください。
礼拝プログラム
前奏                  
招詞    詩編 29篇1~2節   司式者
祈祷                        司式者
賛美    新生21番「栄光と賛美を」
献金感謝
聖書    ローマの信徒への手紙 11章36節
特別賛美   「栄光イエスにあれ」
宣教    何のために生きるのか⑦「すべては神の栄光のために」  友納靖史牧師
祈祷
賛美    新生100番「主はみ翼にのせて」
頌栄    新生667番「聖なるかな 聖なるかな」
祝祷
後奏
宣教概要
 二世紀、教会教父エイレナイオスは「神の栄光とは、生きがいをもって生きている人間のことだ」〝The Glory of God is a Human Being Fully Alive″と語りました。これはヒューマニズム的解釈で〝人間が自分の好き勝手な生き方をする″肯定ではありません。神に造られた人間がその人への〝神の目的と計画″を知った感謝と喜びを覚え〝生きがい<生きる意味と価値>を得て″歩む姿を示すものです。
 使徒パウロがローマ教会へ宛てた手紙には、同胞イスラエルへの苦悩と葛藤が記されますが(9:1~10:21)、11章36節に至り、信仰の奥義(神の秘められた計画)を聖霊の導きにより悟った喜びが宣言されます。これは信仰の父祖アブラハム以来、神の民イスラエルを祝福し救う約束があるにもかかわらず、神の遣わされた救い主・御子イエスを拒絶し、その救いの計画は異邦人へと向けられました(使徒13:45-47)。そこでパウロはユダヤ人から異邦人伝道に全力を尽くします。ですがやはり同胞イスラエルが救いから漏れることに苦悩し、主に祈り続けてたのです(10:1)。そして遂にパウロは悟ります。「(すべてのもの)万物は、神よって造られ、神よって支えられ、神(に向かっている・に帰る)を目的として存在している (11:36)」と。(角川文庫「新約聖書」松村あき子・他訳)
 「すべてのもの」とは、ユダヤ人異邦人を問わず全てが神に創造され命を与えられた真理に基づき、〝神が命と人生の目的を与え、愛し支え、生涯を終えると神の許へ帰っていく。これが神の栄光を現わす″との驚くべき奥義をパウロは知らされ、平安と喜びに満たされたのです。これは「万人救済説」(イエスを信じなくても誰でも神に救われる)ではありません。そうではなく、「主の名を呼び求める者はだれもで救われる」(ロマ10:13;ヨエル3:5)を引用しつつ、本来はユダヤ人も異邦人もすべての者にとって、これが主なる神の計画であることを徹底的に信じ、神の被造物全てがその道に従うことを信じ委ねる信仰告白、いや“祈り”です。ですからパウロは「ああ、神の富と知恵と知識のなんと深いことか。だれが、神の定めを究め尽くし、神の道を理解し尽くせよう。『いったいだれが主の心を知っていたであろうか。だれが主の相談相手であっただろうか。』(ロマ11:33-34)」とヨブの言葉を引用します。これは理不尽な苦しみを最後まで耐え抜き、神を徹底的に信頼し、神の祝福を回復したヨブのように、パウロ自身も自分にも理解不可能なことさえ、神を信頼し委ねるとの信仰告白が36節に集約されたのです。
「日本の人口1%だけが神に救われ、後は滅びる」とは到底思えないキリスト者の葛藤。これは正にパウロと同じ苦悩と祈りに似ています。そうです、神のみ許に帰る「すべてのもの」の中に、今は未だイエスを主と告白していない人、また動物など被造物すべてが、神のもとに帰れますようにと祈り、精一杯福音を伝える信仰と、後は主に委ねる信仰。人が救われるのは自分の努力でなく聖霊の御業だと信じる私たちは、焦燥感を覚え信仰生活をするのではなく、人間の知識・知恵を越えた主なる神のご計画の偉大さ素晴らしさを信じ、平安と希望に生きることを神が願っているとパウロは悟ったのです。この信仰に至った喜びと感謝が36節に込められます。「栄光が神に永遠にあれ、アーメン」と。
私たちもパウロと同じ神への信仰を得るとき、様々な人生の苦悩から解き放たれます。こうして、正に〝生きがいが与えられた者″とされ、神の栄光を現わす生涯が約束されます。「私も神から来て、神に支えられ、そして神のもとへ帰ります」と感謝しつつ日々唱えましょう。アーメン。