礼拝
渡部信
常盤台バプテスト教会 2023.4.30 主日礼拝 「キリストを通して与えられる力 -聖霊ー」渡部信牧師【使徒言行録 1章3~6節】(新共同訳 新約P.213)
- 音声メッセージ
礼拝終了後掲載いたします。通信料が心配な方はこちらからご視聴ください。- 礼拝プログラム
- 前奏
招詞 ヨエル書 3章1~5節 司式者
祈祷 司式者
賛美 新生252番「喜べ 主を」1,2節
献金感謝 司式者
聖書 使徒言行録 1章3~6節
特別賛美 新生50番「ああ驚くべきイエスの愛よ」1,3節
宣教 「キリストを通して与えられる力 -聖霊ー」渡部信牧師
祈祷
賛美 新生372番「イエスの救い(A)」1,2節
頌栄 新生672番「ものみなたたえよ(B)」
祝祷
後奏 - 宣教概要
- 今日は、使徒言行録からイエス様が復活された後、40日間にわたり、多くの人々に復活の事実を証明された後、天に昇られ父なる神の右の座に座られた聖書の箇所から学びたいと思います。
キリストの昇天とその後の、弟子たちが聖霊を授かる箇所は、ルカ福音書と使徒言行録に詳しく書かれています。このルカ福音書と使徒言行録の著者はルカですが、彼は医者であり、使徒パウロの地中海伝道に同行し、使徒パウロの行動を一部始終見聞きして記録しました。そこにマルコ福音書を書いたヨハネ・マルコが使徒パウロの地中海伝道に加わり、マルコはペトロの弟子でもあったので、ルカはそのマルコから福音書の素材を教えてもらい、再編集したのがルカ福音書です。更にその続きにルカは使徒言行録も書きました。
実は正直に申しますと、イエス・キリストの復活の後の昇天、そして弟子たちが福音宣教を開始した聖霊降臨の出来事に至る経過は、ルカ以外に聖書では書かれていません。ここの部分は神学的にもエアポケットで、牧師もあまり説教として取り扱いませんし、私も長年、この部分は、福音書の間でも昇天の記事がちぐはぐなので、ルカが、使徒言行録の初めにその接続部分を記したことにより、幾つかの手掛かりを得ることができます。まず、弟子たちが実際に福音宣教を始めるためには、ある程度の時間が必要だったと言うことです。
使徒言行録では復活から昇天まで40日間、昇天から聖霊降臨まで10日間、合計50日間の時間が必要だったとルカは示しました。主の昇天場所は、ガリラヤでなく、エルサレムに近いオリーブ山でした。聖霊降臨祭にはキリストの復活の出来事から50日目と言う数字的な意味が隠されていて、1週間が7日間。それが7週過ぎると49日間で完全数。そして1日を加えると8週目の日曜日が次の新しい7週間のサイクルが始まる訳です。つまり、この50日目が聖霊降臨祭ということは、復活と昇天の出来事を通して、弟子たちはイエス様の生前の教え、そして十字架の死の意味、またそこから復活されたキリストに出会い、今までの信仰を省み、神のご計画を信じ、復活のイエス様を証する使徒として出発をするために共に心を一つにする必要期間でした。この復活祭とペンテコステとの関係は、使徒言行録20章16節をみますと、パウロが五旬祭にはエルサレムに帰りたいと記されているところから、早い段階で、復活祭と五旬祭(出エジプト34章22節参照-収穫感謝祭)が、つまり聖霊降臨祭として初代教会が結び合わせて、準備期間としたことが理解できます。
こうして、福音宣教とは、人間の力や能力ではなく、イエス様が約束した聖霊の力、それはまさにイエス様の復活の力の注ぎを待ち、一人一人が復活のイエス様を証するクリスチャンとして立ち上がるための十分な準備の期間が50日の意味なのです。生前のイエス様の伝道は限定的でした。一人一人がキリストの霊を宿して福音伝道を広めることが、キリスト教会の始まりですが、それに先立つのがイエス・キリストの昇天による、福音の大宣教命令でした。一人一人にキリストの復活の力、聖霊を受け取ることによって、今度は復活されたイエス様の手足となって、救いの福音を宣べ伝える、これが私たち救われた者の使命であり、喜びとなるのです。それは神の愛から始まるもので、決して私たちの思いからではありません。内省の祈りから始まるのです。・・・・