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礼拝
友納靖史

常盤台バプテスト教会 2023.8.20 主日礼拝 実を結ぶ人生⑦「あなたが知る前に神はあなたを」友納靖史牧師【ガラテヤの信徒への手紙 4章1~18節】(新共同訳 新約P.347~348)


礼拝出席カード



音声メッセージ

礼拝終了後掲載いたします。通信料が心配な方はこちらからご視聴ください。
礼拝プログラム
前奏                  
招詞    コリントの信徒への手紙一 13章8~13節  司式者
祈祷                           司式者
賛美    新生89番「ここに愛がある」
献金感謝               
聖書    ガラテヤの信徒への手紙 4章1~18節
特別賛美  "私の望みは主イエスだけにある In Christ Alone"
宣教    実を結ぶ人生⑦「あなたが知る前に神はあなたを」  友納靖史牧師
祈祷
賛美    新聖歌285番「心くじけて」1.2節
頌栄    新生674番「父 み子 聖霊の」
祝祷
後奏
宣教概要
 この手紙にはガラテヤの諸教会がかつて教えた福音信仰から逸脱した様子を知り、パウロの深い失望と憤りが記されます。歯に衣着せぬ言葉に驚きますが、彼らのことを誰よりも知って、関係性が深いパウロだったからこそ言えたのです。「あなたがたはかつて、神を知らず、神ではない神々の奴隷として仕えていた」と彼らの過去を知り、「(しかしあなたがたは)今、神を知っています。いや、むしろ神から知られている」ことを思い出そうと呼びかけました(ガラ4:8-9)。
 詩編の作者は告白します。「主よ、あなたはわたしを究め、わたしを知っておられる。座るのも立つのも知り、遠くからわたしの計らいを悟っておられる。…わたしの舌がまだひと言も語らぬさきに、主よ、あなたはすべてを知っておられる…その驚くべき知識はわたしを超え、あまりにも高くて到達できない」(139-1-6)。この祈りには主なる神が私たちのすべてを知っておられる驚きと平安が賛美されます。神の偉大さを人間が知り尽くし理解することは到底無理ですが、それでも神の民は主の名に様々な修飾語を加えて告白し祈り呼びかけました。「ヤーウェ・イルエ:主は備えてくださる」(創22:14)、「ヤーウェ・ラファ:主は全人的に(心身・霊も)癒される」(出エ15:26)、「ヤーウェ・ニシ:主はわが旗(勝利)」(出17:15)、「ヤーウェ・ムカディシュ:主はあなたを聖別される」(レビ20:8/エゼ37:28)。「ヤーウェ・シャローム:主は平安」(士師6:24)と他…そして「ヤーウェ・ロヒ:主は羊飼い」(詩23:1)と。他に、神「エル」と呼び「エル・シャダイ:神は全能者」」(創49:25)他…と。このように、それぞれの神体験から告白し続けたのです。
パウロの信仰と重なる告白に、ハガルの呼びかけ“神よ、あなたは「エル・ロイ:神は見られ(知っておられ)る」(創16:13)”があります。アブラハムには子どもが長い間与えられず、神の時を待てなかった妻サラは、彼女の召使ハガルと夫の間に子どもが与えられるよう彼女自身が仕向けました。ところがハガルに命が与えられたと知ると直ぐに、嫉妬心からハガルを家から追い出したのです。荒野で一人絶望する身重のハガルに主は御使いを遣わして語り「今、あなたは身ごもっている。やがてあなたは男の子を生む。その名をイシュマエルと名付けなさい。主があなたの悩みをお聞きになられた」(16:11)と。この時、ハガルは冒頭の詩編のように神が彼女の全てを見て知っておられた驚きと慰めの中、「エル・ロイ」と告白し、恐れずその後の人生を歩む力を与えられたのです。
 伝統的日本の神観は、「お天道様(神々)は知っている。だから悪いことをするな」と、悪事をしないための制御抑制的理解が根強くありました。伝統的ユダヤ教信仰を持っていたパウロも同じ感覚でしたが、復活の主イエスと出会い、主なる神・救い主は私たちの苦しみ痛みのすべてを知っておられる慰めと希望の福音を宣べ伝える者へと変えられたのです。ガラテヤの諸教会に「頼りにならない諸霊(偶像・悪霊)」に導かれる人生ではなく、神の御霊(御子の霊)によって「アッバ、父よ」と呼ぶ者とされたキリスト者の喜びを思い起こすようにと強く勧めます(4:6)。なぜなら自らの努力で私が神を知った(=救われた)のではなく、神が私のことを知って、聖霊を送り悟る者へとしてくださったからです。確かに神について知識を増やすことは喜びです。しかしそれ以上に、主なる神が私たちを知っておられる恵みと平安の中で歩める私たちは何と幸いでしょうか。
主は私たちの人生の喜びも苦悩のすべてを知っておられます。「一羽のすずめ」の賛美(マタイ6:25-34)と重ねつつ、私たちの名を呼び招かれる主に思い煩いを委ね、新たな信仰の歩みを恐れず一歩踏み出すことができますように。祈りつつ。