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礼拝
友納靖史

常盤台バプテスト教会 2024.4.28 召天者記念礼拝 あなたが存在する理由⑤「神が近くにおられるから」友納靖史牧師【ヤコブの手紙 4章7-10節】(新共同訳 新約P.425)


礼拝出席カード



音声メッセージ

礼拝終了後掲載いたします。通信料が心配な方はこちらからご視聴ください。
礼拝プログラム
前奏                  
招詞    ヨハネによる福音書 11章25-26節   司式者
祈祷                        司式者
賛美    讃美歌21 575番「球根の中には」
献金感謝
聖書    ヤコブの手紙 4章7-10節
特別賛美 「安かれ わが心よ」J0J
宣教    あなたが存在する理由⑤「神が近くにおられるから」  友納靖史牧師
祈祷
賛美    教団讃美歌488番「はるかにあおぎ見る」
頌栄    新生668番「みさかえあれ(A)」
祝祷
後奏
宣教概要
 五千人を超える人々に福音を語り、霊肉共に必要を満たされた後、主イエスは弟子たちを先に船に乗せて次なる宣教地へ送り出しました。それから群衆を解散させ、主ご自身は祈るため、ただひとりで山に登ったのです。向こう岸へと向かった弟子たちの船は逆風に煽られ、波に苦しめられました。驚くべきことに、別行動をとっていたはずの主イエスが湖の上を歩いて船に近づいて来られたのです。弟子たちはそれを見て「幽霊だ」と思い込み、恐怖のあまり叫び声を上げました。その時主は「安心しなさい。わたしだ(ギ語:エゴー・エイミー<わたしはある>)。恐れることはない」と語りかけます。するとペトロは自分も同じように水の上を歩いてみたいと思いにかられ、主おられる所へ行ける力を与えて欲しいと願います。「来なさい」と主の語りかけに促され、ペトロは水の上に船から恐れず一歩足を踏み入れ、数歩踏み出しても沈まず主イエスに近づくことが叶ったのです。ところが、強い風が吹きつけ、ハッと我に返るやいなや、恐怖心が彼の心を覆い、彼の足は水の中へとズブズブと沈み出しました。「主よ、助けてください」と叫び声をペトロが上げた瞬間、直ちに主イエスは手を伸ばされ溺れぬよう救い出し、語りかけます。「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」と。こうして二人が共に船に乗り込むと、風が静まり嵐は過ぎ去りました。その様子を終始船から注視していた弟子達らは、「本当に、あなたは神の子です」とイエスを拝みひれ伏したのです。この出来事は、イエスの姿を幽霊だと思い込み、ペトロの滑稽な姿を見ることで、実は弟子達自身が自らの弱さに気づかされることになりました。思いもよらない出来事を通して、イエスこそ神の子・救い主だと告白する信仰のスタートラインに立つことになった弟子達。主イエスこそが山に海に、そして死の淵に至るまで愛する者のそば近くにおられ苦難に寄り添ってくださるお方だと知ったのです。
「いつ呼び求めても、近くにおられる我々の神、主のような神を持つ大いなる国民がどこにあるだろうか(申命4:7)」と、なお神の存在を疑うイスラエルの民へ葦の海を共に渡ったモーセの告白です。又「主は助けを求める人の叫びを聞き、苦難から常に彼らを助け出される。主は打ち砕かれた心に近くいまし、悔いる霊を救ってくださる(詩編34:18)」と命の危険に晒された時、苦難の中で告白し、疑いと不信に陥る心を追い出した青年ダビデの告白です。ヤコブの手紙に「だから、神に服従し、悪魔に反抗しなさい。そうすれば、悪魔はあなたがたから逃げて行きます。神に近づきなさい。そうすれば、神は近づいてくださいます(4:7-8)」とあります。「常に主が近くにおられる」と信仰の原点に立ち帰る時、全く異なる神の恵みの世界へと私たちも踏み出す者とされます。
 牧師として私が初めて葬儀を執り行ったのは神学校卒業後渡米し、その翌年の1990年でした。不幸な交通事故で悲嘆のどん底にある家族との出会いにより、主が驚くべき方法でその家族を慰め救いへと導かれる姿に遭遇させて頂いたのです。この奇跡を目の当たりにして、私は自らの恐れと弱さを悔い改め、真の主の弟子として従いたいと再献身させて頂きました。
最初から強い信仰を持っているから弟子とされるのでなく、様々な苦難に遭遇し、その時に側におられる神の存在を知り、主は生きて働いておられる、と気づかされる。これが私たちではないでしょうか。これからも向こう岸へ旅する私たちの人生の船に襲いかかる嵐と強風におじけづく時、主なる神が近くにおられることを思い起こし、主と共に永遠の神の御国へと向かう旅を続けて参りましょう。