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礼拝

1.10主歴2021 コヘレトの言葉11章6~10節 「空しさから”日日平安”」 友納靖史牧師


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礼拝プログラム
前奏           奏楽者
招詞           司式者
祈祷           司式者
賛美  主はあなたを守る方 
聖書  コヘレトの言葉11章6~10節  Ecclesiates11:6-10
特別賛美演奏  "主を待ち望むものは"  奏楽者
宣教  「空しさから“日日平安”」 牧師 友納靖史
祈祷
賛美  656番 きみの賜物と 1、2節 
献金感謝         司式者
祝祷
後奏
宣教概要
聖書に馴染みのない日本人が最初に触れてもらう書として、格言日めくりカレンダー感覚で読める「箴言」や「コヘレトの言葉」を勧める方がいます。特に、後者の書全体に漂う、世のはかなさ、空虚さ、悪人より善人が憂き目を見る不甲斐なさ等、「神がいるならどうしてこんな理不尽なことが人生に多いのか…」と、著者の言葉に共感を覚える方も多いからでしょう。この書が書かれた真の目的は、いかにこの世に生きる空しさを感じることがあっても、それでも「神はおられる」ことを宣言することです。そして、空しさの感情に留まり続けることなく、神と出会い、その存在を信じ、真の豊かさを知って生きるように導くこの書は、正に伝道者の言葉です。ですから新共同訳“「集会」を招集し、語る者”の原語「コヘレト」をそのまま記すより、「伝道(者)の書」のタイトルの方に親しみを覚えるのかもしれません。
 「若者よ、お前の若さを喜ぶがよい。青年時代を楽しく過ごせ…(コヘ11:9)」と、若いうちに悔いなく自由自在に生きることを勧めます。しかし後半部分には、神がすべてを見て知っておられ、それぞれの行動に対する責任が伴うことをも心に刻み付けます。そして、人生の先輩である伝道者は若者にこう語りました。「心から悩みを去り、肉体から苦しみ(痛み)を取除け。<そうでないと>若さも青春も空しい(コヘ11:10)」と。心と身体にある悩みと痛みとは何でしょうか。それが正に自分の存在と生きる意味を知らずに過ごす「空しさ」です。使徒パウロも、神を信じていても「むなしさ」を感じる信仰生活をどう克服すれば良いのかと、自らも希求し、真理と出会い、人々にその喜びを伝えました。多くの人々が感じた空しさとは、自らの存在の是認と神にある罪の赦しの確信の不確かさより生じるものだからです。そこでパウロは、イエスの十字架の死と贖いこそが、人生の土台を一瞬で崩壊させる罪から解放される力と恵みなのだと語ります。「キリストが復活しなかったのなら、あなたがたの信仰はむなしく、あなたがたは今もなお罪の中にあることになります」(コリ一15:17)。最後にパウロは「主に結ばれているならば自分たちの苦労が決して無駄にならない」と宣言します(同15:58)。
 人生の「空しさ」をテーマにした文学・小説が多くあります。「日日平安(にちにちへいあん)」という山本周五郎著の短編小説は、江戸末期、主人公の浪人が人生に行き詰まり、切腹を試みますが、たまたまその場に居合わせた旅人に介錯を願い出ることから始まります。その夜、旅人と共にその親族の屋敷に出向き、「人生は多くの苦難があるが必ず良い方向へと向かう」と信じ「日日平安」と唱えて生きるその家族の姿に反発と怒りを覚えました。ところが突然、その家と藩全体を揺るがす騒動に巻き込まれ、その浪人が難題を解決へと導き、人の命を救う大役を果たし、彼は仕官への道が開かれたのです。数日前までは「空しさ」から死ぬ覚悟でいた浪人でしたが、本当は死を自らが望んでいたのではなく、人生に意味を与え、共に生きる誰かを捜し求めていたことに気づいて物語は終わります。あの人たちが信じていた「日日平安」は本当であった…と。
自分が真に何を必要としているのか分からないまま時が過ぎることがあります。そしてその心身を満たそうと何かを浪費してしまう…特に若い頃は…。しかし、時と共にそれらにも空しさを覚え、その果てに、自らの存在さえ空しく感じ、誤解と罪の誘惑に陥る悪循環に苛まれます。あの小説の主人公は、幸いにも不思議な出会いにより、毎日を平安に過ごす人生の入り口に立つ者へと変えられたことを作者は伝えたかったのでしょう。しかし、聖書は更なる平安、永遠に変わることのない「平安」を与えるため、神の言なる救い主イエスをこの世に遣わされました。コヘレトの今日の箇所に続く御言葉は、私たちの人生を揺るがない平安へと導いてくれる光です。
「あなたの若い日に、あなたの造り主を覚えよ
(伝道の書12:1):めぐみ幼稚園の中心聖句」。