礼拝
11.8主歴2020 ペトロの手紙 一5章6-7節 「神に『お任せ』できる恵み」友納靖史牧師
- 礼拝プログラム
- 前奏 奏楽者
招詞 司式者
祈祷 司式者
賛美 3番 あがめまつれ うるわしき主 1、2節
聖書 ペトロの手紙一5章6~7 1Peter 5:6-7
特別賛美演奏 "ゆだねますあなたに" リビングプレイズ125番 奏楽者
宣教 「神に『お任せ』できる恵み」 牧師 友納靖史
祈祷
賛美 566番 主に任せよ 1、2節
献金感謝 司式者
祝祷
後奏 - 宣教概要
- 「あなたの重荷を主にゆだねよ。主はあなたを支えてくださる。主は従う者を支え、とこしえに動揺しないように計らってくださる」(詩編55:23)。この御言葉をペトロは心で「アーメン(その通りです)」と唱えこの手紙を書いたはずです。主イエスの弟子とされてから、幾度となく動揺し、つまずきながらも、主なる神が支え導いてくださったことを思い起こしていたからです。旧約聖書ヘブライ語の『ゆだねる(任せる)』には「後に残す」「放り投げる」「転がす」などの意味があり、この箇所のギリシャ語の箇所は「投げる」です。与えられた人生で担うことになった重荷、不安や恐れ等のすべてを「主にゆだねる」ことが、信仰者として歩み続ける大切な秘訣だと聖書は繰り返し告白します(詩10:17,37:4)。旧約では、造り主なる神に向かって、人間の力や努力では太刀打ちできない苦難と死を主に「ゆだねる」信仰の姿が語繰り返し語られます。しかし新約になると、父なる神と御子イエスとがお互いに「ゆだね合う」深い信頼関係が示されます(ヨハネ17:2)。特に、十字架の上で主イエスが大声で、『父よ、わたしの霊を御手にゆだねます』と言われて息を引き取られた(ルカ23:46)」姿にこそ、死への恐れを超える信頼の力と、私たちの模範となってくださった主イエスの愛が示されました。そして更に、主が復活され、天に帰られてからは、弟子たちとその後に続くキリスト者に対して主イエス御自身が信頼されているからこそ、世界中に遣わし「神の御言葉」「福音宣教の業」、更に「神の計画」を担う者として「ゆだね」られたと証しされます。
ペトロは、神と人々の前にキリストに倣い「謙遜」に仕えようとする時、多くの困難や課題に直面することを覚悟せよと語ります(ペト一5:1~5)。しかし、神に従って歩むなら、神が私たちのことを心配してくださり、神ご自身が解決の道を備えてくださることを教会の若者たちへ伝授しました。
かつて世界中で何世紀に亘って恐れられた感染症ウイルス「天然痘」があります。その死の病に打ち勝つワクチンの接種法を広めたのは、エドワード・ジェンナーというキリスト者の英国人医師でした。当時、牛の間に広まっていた牛痘ウイルスに感染した乳しぼりの女性たちは、水疱が身体にできましたが、暫くすると回復しました。そして彼らだけは不思議と、死の病である天然痘に罹らない事実にヒントを得て、その女性たちから摂取した体液をワクチンとして接種する方法を彼は開発したのです。しかし長い間、その医療法への誤解と偏見の嵐が彼を襲いました。73歳でその生涯を終えるまで、彼が揺らぐことなく、その働きを続けられたのは、彼の中に息づいた神への信仰でした。「人が自分のことを信頼してくれないことは仕方がない。しかし、この素晴らしい神のことを信じない人がいることは、本当に残念だ」とジェンナーは周りによく語っていました。牧師であった父、また母を病気によって幼くして天に送った悲しみの経験から、将来、神の御心なら医師になることを願い、全てを神に任せ(ゆだね)る決意をしたジェンナー。画期的なワクチン投与を発見できたのは、神の恵みであると信じ、特許を取らず世界中に無償で与え、「近代免疫学の父」と称されました。今この時代にも、新型ワクチン開発に関わる第二のジェンナー誕生を願います。
本当なら今日、子ども達とその家族をお招きし、成長感謝礼拝を奉げる主日でした(教会学校映像データを映像で配信)。今、この世界を襲う新型コロナウイルスへのワクチンが完成するまで、様々な活動が制限されるでしょう。しかし今この時にこそ、恐れや不安の全てを、神に「お任せ」できる恵みの中で生かされていることを喜び合いましょう。苦難の先に、主が善きものを備えておられると信じ、ゆだねる信仰の成長と成熟が、若い世代と子どもたちに豊かに注がれますように。アーメン。