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「クリスマス・喜びの源」友納靖史牧師(2018/12/23)

 原始教会時代、主イエス誕生は次のように賛美されました。「キリストは神の形でありながら、神と等しくあることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして、僕の形をとり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。」(フィリピ2:6~:聖書協会共同訳発行)。ここに、神であるお方が世を救うため、人となって誕生された驚くべき愛の姿を一言、神の「へりくだり」であったと告白します。
 福音書に記される降誕物語をこの視点から読むと、実は人々の「遜り(謙遜・身を低くする・貧しく生きる)」の実践が証しされています。
 マリアとヨセフは聖霊による命の誕生に、驚きと不安を覚えます。天使により神のご計画だと知った時、自分の思いを抑えて、謙虚に神に従う決断へと導かれたのです。特にベツレヘムに出向いて出産を迎えることになった彼らは、大切な幼子を動物の食む飼い葉桶の中に横たえることになります。しかしその状況をあるがままに受け入れました。今日の手紙でパウロが告白する次の言葉も、この時の彼らの信仰姿勢に通じるようです。「いついかなる場合にも対処する秘訣を授かっている(フィリピ4:13)」と。
 次に、羊飼い達に目を注いでみると、突然天使が現れ、民全体に与えられる神の救いの予告が託されました。この時、本来なら夜通し野宿をして羊の世話をする働きを中断してまで、天使の言葉を信じ、飼い葉桶に寝ている「神のしるし」救い主を探す者とされていくのです。
 最後に、「ユダヤ人の王」を拝みに来た占星術の学者たちも「へりくだる」姿があります。彼らは「ユダヤ人の王」を探してヘロデ王の宮殿に来ましたが、ミカ書(5:1-2)に触れると、神の預言を信じ、ベツレヘムへと向かいました。こうして彼らは王宮に住む王ではなく、「神の民イスラエルの牧者」霊的指導者を探し求める者へと変えられます。そして遂に幼子イエスを拝し、彼らの宝の箱を開け、贈り物を献げました。天の宝を捨ててこの世に来られたお方に、博士(賢者)たちが地上の宝を献げ、ひれ伏して礼拝する姿は、次の賛歌とも重なります。「こうして、天上のもの、地上のもの、地下のものがすべて、イエスの御名にひざまずき、すべての舌が、「イエス・キリストは主である」と公に宣べて、父である神をたたえるのです(2:10-11)」。
 私たちの人生も、神と人の前に「へりくだる」ことが求められます。信仰の初めの一歩(バプテスマ)に始まり、主と共に歩みつつ、いつの日にか、天にまで引き上げられ、限りなき祝福に生かされと約束されていいます。ここに、人生の真の希望、そして喜びの源があるのです。  
「主の前にへりくだりなさい。そうすれば、主が
   あなたがたを高めてくださいます(ヤコブ4:10)」

     イエスの御降誕を感謝いたします。

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(c)日本聖書協会
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