「教会の使命 」渡辺聡牧師(東京バプテスト教会 ミニストリー担当牧師)(2020/01/26)
[聖書]ヨハネによる福音書15章12~17節
こんにちは、東京バプテスト教会のミニストリー牧師をしております渡辺聡です。母が常盤台バプテスト教会で牧会しておられた松村秀一先生からバプテスマを受けたことや、私のいとこが秀一先生の息子の誠一先生と結婚したというような関係で、昔よく常盤台バプテスト教会には遊びにきていました。今日、何十年ぶりにこの教会に伺いましたが、大変懐かしく思っております。
さて、昔の頃の話なのですが、大久保バプテスト教会で執事をしていた頃(かれこれ40年近く前)、私より年上の青年が違う教会からやって来て転入会を申し込み、こう言いました。「いや、バプテスト派はいいですね。だってまず、ドグマがない。聖書主義ですから、信者一人一人が聖書を読んで自分が信じたように信じればいい。そこが気に入りましたよ。」それから次に「やっぱ、会衆主義というのがいいですね。万人祭司ですよ。バプテストはやっぱりいいですね。民主主義ですからね。教会の運営に関して一人一票持っている。これがバプテストの本質ですね。」
私は、まだ若かったので(その頃まだ20代です)、この言葉がすっかり私の心の中に刷り込まれてしまいました。「そっか、万人祭司なんだ。そしてバプテストのいいところは、みんな自由な信仰を持っていて、一人一票持っているということなんだ。」
しかし、実をいうとそれはとんでもない勘違いだったんです。私は「万人祭司」の本当の意味を、アメリカ、ケンタッキー州にある小さな教会のお年寄りの女性のメンバーたちから教えてもらいました。彼女たちは、毎週水曜日になるとダウンタウンにあるウォールナット・ストリート・バプテスト教会というところに集まり、アメリカに来たばかりの外国人や難民の人たちに英語を教えたり、発音を直してあげたり、運転免許の取り方を教えてあげたり、料理や編み物を教えたり、色々な手伝いをしていたんです。そして聖書の福音を嬉しそうに伝えていました。彼女たちの姿に感動して「皆さん、伝道熱心ですね」というと、「あら、そうよ。だって万人祭司ですもの」という答えが返ってきたのです。
今日は、私がアメリカで教わってきた「万人祭司」の本当の意味と、イエス・キリストが私たち教会に対し、求めておられることについてご一緒に考えていきたいと思います。