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「 イエスの語る旧約の福音(6)『誘惑に打ち勝つ力』 」 友納靖史牧師(2019/03/03)

 申命記は世代交代の節目を迎えたイスラエルの民に、神がモーセを通して語られた御言葉集です。出エジプトを経験した第一世代は、モーセをはじめ年老いていました。荒れ野での四十年の神にある訓練を経て、約束の地カナンへ入る直前に、第二世代の人々にシナイ山での神との契約を改めて思い起こさせられます。その中でユダヤ人全てが今なお、幼い頃最初に暗唱し、継承している御言葉が、「聞け(シェマー)、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい(申6:4-5)」です。
 主イエスは、バプテスマを受け公生涯に向かわれる直前、四十日間を荒れ野で過ごされました。それも「悪魔からの誘惑を受けるため(4:1)」と明確な目的を持ってです。断食により空腹を覚えたイエスに「誘惑する者」はまず、「神の子なら、これらの石がパンになるように命じたらどうだ」と挑発します。その時、主は「『人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる(申8:3)』と書いてある」と答えました。次に都の神殿に連れて行き、高い屋根の端に立たせ「神の子なら、飛び降りたらどうだ」と、悪魔は御言葉(詩91:11-12)さえも誤用し、再挑発するのです。しかし主は「『あなたの神である主を試してはならない(申6:16)』とも書いてある」と応戦します。最後に悪魔は非常に高い山に連れて行き、世の全ての国々と繁栄を見せ、「もし、ひれ伏してわたしを拝むなら、これをみんな与えよう」と最大級の誘惑をイエスに仕掛けました。すると「退け、サタン。『あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ(6:13)』」と三度全てに申命記を用い、悪魔は離れ去ってしまい、天使たちが来て主イエスに仕えたと証しされます。
 申命記と福音書は大きな時代の隔たりがありますが、四十年と四十日、それぞれ荒れ野という試みのただ中におかれ、主イエスはご自分に与えられた偉大な力を一切用いられることなく、父なる神が与えられた御言葉のみを用いてサタンと闘ったのです。荒れ野の極限の状況において人間イエスとしての肉体的・精神的な弱さを見抜いたサタンは実に巧妙に挑発し続けました。しかし主は動じることなくただ淡々と幼い頃から聞かされ覚えた御言葉によって、全ての誘惑を排除されたのでした。「誘惑に打ち勝つ力」とは、決して個々人の精神力や信仰心によるのではなく、心と魂に刻まれた神の御言葉が主イエスのみならず、私たちをも守って下さると証しされます。人生の荒れ野と思う日が来る前に、御言葉に「聞き」、御言葉を身に着けて歩みましょう。
 「最後に言う。主に依り頼み、その偉大な力によって強くなりなさい。悪魔の策略に対抗して立つことができるように、神の武具を身に着けなさい…(エフェソ6:10~)」。

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