「 イエスの語る旧約の福音(16)『いつまでも残る神の宮』」友納靖史牧師(2019/06/23)

[聖書]エズラ記1章1~6節、マタイによる福音書24章1~2節
イスラエル(ユダ)にとって、神を礼拝する「神殿(神の宮)」は特別な場所です。最初は「祭壇」が築かれ(創世8:20)、次に天幕が張られ神の臨在を示す聖所「幕屋」(出エジ29:45・46)が設けられました。ソロモン王の時代、遂に(第一)神殿が建築されましたが、バビロン捕囚により破壊されてしまったのです。エズラ記には、ペルシャの王キュロスによって捕囚の民がエルサレムへの帰還を許されると共に、悲願であった神殿再建が許可されたと記されます。帰還後、再建工事への妨害もあり、新たな(第二)神殿が完成したのは王の許可を受けて23年後、紀元前515年でした。“第二のモーセ”、“祭司にして天の神の律法学者”と呼ばれたエズラの働きは、神殿を建てる以上に、困難な中にあっても信仰形成の基となる「主の律法を研究して実行し、イスラエルに掟と法を教えることに専念した(7:10)」ことにこそ注目すべきでしょう。
イエスの時代、ソロモン王に勝る栄誉を求めた王ヘロデが増改築した神殿は「ヘロデ神殿」と称され、その荘厳さは目を見張るものでした。当時、人々の信仰と愛国心の拠り所となった神殿を、「イエスさま、ご覧ください。何と立派で美しいことでしょう!」と、弟子たちの指さす神殿を(マタ24:1)、主はこう言われたのです。「これらすべてのものを見ないのか。はっきり言っておく。一つの石もここで崩されずに他の石の上に残ることはない(24:2)」と。これは主によってなされた終末預言と共に、紀元70年にローマ軍により完全に破壊される神殿を予告されたものです。21世紀の今、岩のドーム(イスラム教)となり、破壊されたままの神殿を再建することが世界中のユダヤ人の悲願とされています。けれどもキリスト者は主イエスを通して、どのように「いつまでも残る神の宮(神殿)」を建てることが求められているのでしょうか。今日、私たちキリスト者にとっても目に見える神の宮としての教会(堂)は確かに大切な役割を果たします。しかし、礼拝と信仰が、建物のない時代でも脈々と、信仰者たちの間で継承されることに大きな希望があります。
主イエスは、神殿から商売人を追い出した際、しるし(奇跡)を見せろと迫る人々に、ご自身を神殿に重ね合わせ、「この神殿を壊してみよ。三日で立て直そう(ヨハネ2:19)」と語られました。主が復活された時、その意味を人々はやっと理解できたのです。その後パウロは、聖霊に導かれ「あなたがたは、自分が神の神殿であり、神の霊が自分たちの内に住んでいることを知らないのですか(コリント一3:16)」と語ります。主なる神はどこにでもご臨在(共にいて)くださり、私たちのことさえも神の栄光を現す神の宮(神殿)の一部としてくださることに驚きと感謝を覚えます。「いつまでも残る神の宮」として、「信仰者」を建て上げていく働きを教会の喜びとして参りましょう(黙示21:22)。

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