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「イエスの語る旧約の福音(12)『まず、求めるべきもの』」友納靖史牧師(2019/05/05)

[聖書]列王記上3章4~15節、マタイによる福音書6章25~34節
父ダビデの跡を継いだ王ソロモンは託された働きを思い不安を覚えました。その時、主が夢枕に立ち(列上3:5)、「何事でも願うがよい。あなたに与えよう」と語られます。するとソロモンは父の信仰を思い、「わが神、主よ…わたしは取るに足らない若者で、どのようにふるまうべきかを知りません。…どうか、あなたの民を正しく裁き、善と悪を判断することができるように、この僕に聞き分ける心をお与え下さい」と答えていたのです。このソロモンの願いを主は喜ばれ、「あなたは自分のために長寿を求めず、富を求めず、また敵の命を求めることなく、訴えを正しく聞き分ける知恵を求めた。見よ、わたしはあなたの言葉に従って、今あなたに知恵に満ちた賢明な心を与える・・・。わたしはまた、あなたの求めなかったもの、富と栄光も与える…」と驚くべき祝福を約束されました。その直後、早速難題が王ソロモンの許に持ち込まれます。遊女二人にそれぞれ与えられた赤ん坊の一人が死に、双方生きているのが自分の子どもだと主張して譲りません。そこで王は神からの知恵によって真実を見抜き、真の母親が誰かを証明し、民衆は彼を畏れ敬うようになりました(3:16-28)。ここにはソロモンが王の使命を果たすために最も必要とされる『神の知恵』を求め、何よりもその知恵とは、『人の命(存在)を生かすため』であったと証しされます。
 生きる意味を探し求めて集まった群衆に主イエスが語られた説教「山上の垂訓」(マタイ5-7章)の中に、「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる(6:33)」があります。私たちと同じ悩みを持っていた当時の群衆も、自分の命の存在の素晴らしさに気づくことなく、まず衣食住の課題に思い悩み、右往左往していました。そこで主イエスは、私たちの命や体がどれほど大切であるかを、空の鳥、野の花に目を向け気づかせようとされたのです。更に「栄華を極めたソロモン」を引き合いに出し、彼の王衣でさえ、神から見ると野の花の美しさに勝ることはなかった(6:29)と断言されました。繰り返しここで主が語られた「思い悩むな」とは、単なる物質的不安を抱くことでなく、「実存(人の存在)に関わる不安」で悩む必要はないとの希望の言葉です。ソロモンが求め、与えられた知恵は、人間の欲や罪によって奪われる命と存在の危うさを救う力となりました。主イエスが、何よりもまず「神の国と神の義」を求めよと語られたこととは、御子さえも奉げられた神の義と愛の御国に、身も心も霊も、神を信じる者のいのちが(永遠に)生かされることを神御自身が願っておられるからです。この真理が隣人と共に全ての人の心に満たされる時、「明日のことを思い悩む」不安から解放され、私たちのただ中に神の国が実現するのです(ルカ17:21)。この平安の中で隣人と共に生きることをまず、求めましょう。そうすれば…。
 

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