「 主に仕える働き」内藤淳一郎牧師(茗荷谷キリスト教会協力牧師)(2019/11/24)
[聖書]ローマの信徒への手紙12章6~8節
復活の主イエスは世界にご自分の体である教会を建て、2000年前の地上の働きを継続されます。教会は主が「神の国」の福音を宣教したようにイエス・キリストの言葉を語ります。教会は主イエスが「小さくされている人々」に寄り添い、「神の国」の到来を示す働きをされたように、「神の国」を証しする働きをします。
ルワンダで「和解と平和」の働きをしている佐々木さんが、「最近、サラビアナさんの襲撃に加わった5名の男性が、彼女に初めて個人的に謝罪する決意を固めた。虐殺から25年、被害者も加害者も過去と向き合う苦闘が続きます」と報告しています。「和解と平和」の働きの主体はあくまでも現地の人々ですが、佐々木さんのようなサポートをする人がいるということが大きな励ましです。
今年、日本で開催されたラグビー世界大会で南アフリカ共和国が優勝しました。南アフリカは18世紀に英国の宣教団によって伝道が始められ、間もなく白人が黒人を隔離する「人種隔離政策」が施行され、この地に住む黒人は長年に亘って苦しめられました。ラグビーも白人だけのスポーツでした。しかし、「人種隔離政策」と戦い、1994年に撤廃を勝ち取りました。諸外国のサポートもありました。マンデラと共に戦ったツツ司教は「私たちは黒人を殺傷した人々を赦します。赦していますが、罪の告白と謝罪がなければ、和解と交わりは成立しないのです」と言いました。世界大会で優勝した南アフリカのチームが黒人も白人も一体となって戦っている姿に感動しました。キャプテン シヤ・コリンは1991年生まれの黒人で、子供の時には白人と共にラグビーに取り組める国になっていたのでしょう。ルワンダにも全き和解と平和が実現される日を期待します。
「世界のさまざまな痛みの中で、苦しみ、悲しむ人々に寄り添い、共に福音にあずかります」という「女性連合の使命」を読んで、マザー・テレサのことを思います。彼女は路上で倒れている人を引き取り、寄り添い、その死を看取るという働きの中で、神の臨在が分からなくなることもあったと言います。人々に寄り添うことがどんなに大変な働きであるかを思い知らされます。私たちが宣教師の労苦を覚えて祈ることも、主に仕える働きです。宣教師の働きを支えるために献金することも、主に仕える働きです。
「今の時代、世界伝道の働きは、以前と少し違う形が求められていると感じます」(奥田敦子)。キリスト教国から非キリスト教国に対して行われる一方的な海外宣教ではなく、相互に宣教師を派遣し、学び合い、共に働くことが求められています。「私たちが国外に派遣している働き人たちを覚えて祈ることは勿論ですが、同時に私たちが今、立たされている場所で、『地の果ての人々』(外国人技能実習生など)に寄り添い・・」(吉高路)。日本にいる外国の人々との共生の取り組もうとしている東京北教会の働きを期待しています。