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「神が味方する」(高橋秀二郎牧師)(筑波バプテスト教会牧師)

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17年前の9月11日の夜、連盟事務所のテレビでニューヨークの世界貿易センタービルに航空機が激突して6000人が犠牲になった映像を見た。同じ日の午後、相模中央教会で行われた松田正三先生の葬儀に参列した。松田先生は広島教会牧師時代、将来牧師になるつもりの高校生のご長男を交通事故で亡くした。そのあと息子の弔い合戦だと言って、神奈川県で開拓伝道を始めたが、ここでも三女を亡くすという試練を受けた。人生には、神を信じる人にも神を信じない人にも、等しく災いが下るときがある。

7年前には東日本大震災が起こったとき、岩手県大船渡市で被災した山浦医師に、マスコミがやって来て尋ねた。「なぜ、神は、罪もない人々をこのようなひどい目に遭わせるのか。」それについて山浦医師はこう言う。「気仙の人間はけっこう信心深いのです。キリスト教は少ないけれど、皆、熱心な仏教徒です。でも、なぜ仏さまは助けてくださらなかったのか、なとど、バカなことを言う気仙衆は一人もいないです。」「なぜ」と問うのは意味がないと言う。そもそも人間には、「死ぬ」ことと「苦労」することが定まっている(創世記3章)。だからと言って、神は人間の敵となったのではない。ローマ8:31「もし神がわたしたちの味方であるならば、だれがわたしたちに敵対できますか。」神は人間の味方。私たちは、御子イエスが語った言葉や数々の奇跡の御業を通して、神のその思いを知ることができる。

私たちの本当の敵は別にいることを知らなければならない。

その敵というのは、私たちを神の愛から引き離そうとする何か。(1)サタン。(2)苦難。(3)迷信があげられる。しかし、イエス・キリストを通して、天地を造られた唯一の神が味方であることを知る者にとって、これらのものは、もはや何の意味も持たない。「わたしは確信しています。死も、命も、天使も、支配するものも、現在のものも、未来のものも、力あるものも、高い所にいるものも、低い所にいるものも、他のどんな被造物も、わたしたちの主キリスト・イエスによって示された神の愛から、わたしたちを引き離すことはできないのです。」神が私たちの味方である証拠は、神が私たちに御子イエス・キリストを遣わされた事実で分かる。イエス・キリストが、私たち人間と神との間に立って、神に執り成してくださっている。何と、すばらしいことか。

神学者の寺園喜基先生は、神は私たちに「苦しむ能力」を与えていると言う。信仰を持って生きるとき、苦く苦しい経験を避けては人生の深い喜びも福音の深い喜びも味わえない。神は、私たちの味方であり、苦しみのときは、それに耐え得る力を与えてくださる。そして、その苦しみから、すばらしい恵みを与えてくださる。

 

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