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「 イエスの語る旧約の福音(5)『神に誓わない理由』 」 友納靖史牧師(2019/02/24)

 キリスト教結婚式のハイライトは「誓約Vows」です。その最後に牧師は新郎新婦それぞれに「あなたは誓いますか(oath)」とは尋ねず、「約束しますか(promise)」と問います。なぜなら、主イエスの今日の言葉に基づき(マタイ5:34)、神にも人間に対しても、私たちは一生向かい合う相手と共に生きることをその時には真剣に、真摯に誓う心があっても、弱さと危うさを抱えていることを忘れないためです。
 民数記はエジプトから自由の身となったイスラエルの民が約40年かけてシナイ半島を旅し、約束の地カナンに入るまでの出来事が記されています。人口調査をした様子が詳しく記されたこの書を日本語では「民数記」としましたが、本来のヘブライ語原典タイトルは「荒野にて(主は言われた)」となっています。本来なら数カ月で移動できる距離を、神に対する「つぶやき」と「そむき」の罪を繰り返し犯す中で、主なる神はイスラエルの民を訓練するために遠回りをさせられました。何度も神の「導き」を体験し、感動しながらも、すぐに神への感謝を忘れて神から離れてしまう人々。その民の姿に苛立ちさえ覚えたモーセは、誓願(心と魂の底から命をかけて神に誓いを果たすこと)をさせたのです。しかし、約束の地に入り、ダビデ王たちが国のリーダーとして立てられ、またその後、バビロン捕囚の苦難と回復を体験したにも関わらず、神の民は繰り返し、繰り返し、神から離れる罪を犯し続けたのです。
 主イエスが来られた当時、人々は自分の都合の良い時には口先で神に誓い、またそれを破っても良い理由や言い訳や聖書を勝手に解釈して生きていました。その姿に悲しみを覚えた主イエスはハッキリと語られたのです。「一切神に向かって誓ってはならない」と。これは神以外に人間は完全ではないことを心に刻みつつ、かつその弱さを神によって乗り越えるようにとの希望と祈りが込められていました。
 ですから、主イエスは、神の前でも、人の前でもただ「然(しか)り然り、否(いな)否」と語る態度と生き方をするように勧められました。つまりこれは、自分が今出来ると心から信じ、神の御心であると示されたなら、可能な限り精一杯取り組むことを「はい・然り」と表明しなさいと勧めます。その一方で、もし自分の心の内に迷いやその思いがあるなら、恐れずにそれを拒む、「いいえ・否」と告白する大切さを示されたのです。マザー・テレサは主イエスのこの信仰に立ち次のような言葉を残しました。
「思考に気をつけよ、それはいつか言葉になる。
言葉に気をつけよ、それはいつか行動になる。
行動に気をつけよ、それはいつか習慣になる。
習慣に気をつけよ、それはいつか性格になる。
性格に気をつけよ、
それはいつか運命になるのだから。」
主イエスの十字架と復活の言葉に倣いつつ、私たちも自らが発する言葉を大切にして祝福に満ちた人生を共に歩みましょう。
 

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